寒くなるこの時期に花を咲かせる桜のひとつが「御池桜」です。桜は御池通にあって人の目にも触れやすく、写真を撮っている方もちらほらと見かけます。辺りに自然は少なく、ビルの谷間ともいえる場所。そして厳しい寒空の下に美しく花を咲かせる姿は、通りかかる人たちの心を動かします。私も毎年この桜を見て元気をもらっています。
御池桜は、案内板によれば「不断桜」という種類で、例年11月から4月頃にかけて花を咲かせます。11月に開花をしてからゆっくりと花は増え、本数に勝る春の桜たちが現れるまでの冬の間中、粘って粘ってチラホラと咲き続けて、春には満開を迎えます。桜が植えられたのは、2006年に京都御池創生館が出来た時だそう。柳池中学校の跡地を利用して作られた、中学校と福祉施設・商業施設を複合した建物は、京都御池創生館と呼ばれています。
不断桜はヤマザクラとオオシマザクラの交雑種だそうで、大原・実光院の桜も同じく不断桜。もっとたくさん植えたスポットを作れば、冬の京都観光にも一役買えそうですが、三重県にある木が天然記念物となっているように、大変珍しい種類のようです。こうしてひっそりあるのもまたよいものですね。これからさらに寒さが厳しくなり、雪が積もっても咲き続ける御池桜。この冬も大いに元気を分けていただけそうです。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。特技はお箏の演奏。