今年初めて積雪となった18日。北野天満宮で行われたのが「初雪祭」。参道の入り口にある影向松(ようごうのまつ)にその年初めて雪が積もれば行われる行事です。社伝では、初雪の日に天神様(道真公)がこの松に降り立って雪見の歌を詠むとされ、初雪祭では筆・すずり(硯)・墨や短冊が松の前に供えられます。初めて知ってから6年ほど経ったと思いますが、ついに念願かなって見ることができました。
初雪祭が行われるのは松に雪がしっかりと積もることが必要で、気象観測としての初雪の日に行われるとは限りません。過去にはうっすらと雪が積もったときに見送られていた年もありました。また、初雪祭が行われる期間は「三冬の内」。すなわち立冬から立春前日までの間で、近年のヒートアイランドの環境では初雪祭が行えない年もあります。残念なことです。
ということで、いつ行われるかがわからず、非常に見るのが難しい行事です。私も毎年チャンスを得られなかったのですが、今年は朝の段階で雪がしっかりと積もっていることが読めていたため、朝一番で北野天満宮へと向かいました。8時に到着しましたが、初雪祭は10時からとのこと。時間も一定はしていないようです。
時間前になると、影向松の前に祭壇が設けられ、神饌と筆・硯・墨や短冊が供えられました。10時には神職が来られて神事が始まります。初雪祭には報道の方も来られ、テレビカメラと新聞が1社づつ。一般見学は私のみでした。初雪祭は粛々と儀式が進んでいくもので、見ていて一般受けするものではありませんが、ちょうど儀式の最中は雪が強まってきて、まさに道真公が雪見をされているかのような雰囲気がありました。
神事が終わると報道の方と一緒に筆やすずりを近くで見せていただけました。私が念願かなってみることができた旨を神職さんにお伝えすると、特別に許可していただけました。目を引くのはすずりで、北野天満宮の神の使いである牛があしらわれていました。可愛らしいですね。さらに墨にも「北野天満宮」の文字が。貴重なものを見させていただきました。初雪祭は見るのは非常に難しい行事ですが、機会がありましたら雪降る影向松に手を合わせ道真公をしのんでみてください。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。特技はお箏の演奏。