烏丸六角の交差点を東へ入ると六角堂があります。平安京に都が移る前の飛鳥時代、聖徳太子が四天王寺建立のための用材を求めてこの地にある泉を訪ねた時、泉のかたわらにある多良の木の枝に護持仏の如意輪観音像をかけて沐浴をしました。沐浴が終わって仏を手に戻そうとすると、どういうわけか枝から仏が離れなくなり、さらに太子は「この地に留まって人びとを救いたい」という仏のお告げを夢に見たため、太子は仏を祀るお堂を建てる決心をします。
そんな太子のもとへ一人の老翁がやってきたので、太子は「この辺りに観音のお堂を建てるにふさわしい木はないか」と尋ねました。すると老翁は「この近くに杉の巨木があります。毎朝紫の雲がたなびく霊木です。あの木を使うとよいでしょう」と言って去っていきました。老翁に教えられた場所に行ってみると一本の杉の木があり、それを伐ってこの地に六角の御堂を建てて護持仏の如意輪観音像を安置したと伝わります。
現在の六角堂の境内は、ビルの谷間にあるオアシスのような場所。多くの鳩がいたり、奥の池には白鳥もいます。動きを観察していると、動きが面白くて癒されます。今は真冬とあって、鳩の中には体を膨らませてじっと寒さに耐えているような姿をみせるものもいました。一方の白鳥はスイーと池を気ままに進む様子が優雅です。こちらも細かい動きが面白いです。
境内にはたくさんのお地蔵さんがいて、ひとつひとつ見て行くと様々な表情をされています。帽子や前掛けは最近新調されたようで、12月に見た時よりも新しくなっていました。どなたかが丁寧に作り、変えて下さっているようです。こうしたお地蔵さんにも京都の歴史がつまっているようで、感慨深くなりました。六角堂は縁結びのご利益でも知られ、春の桜など、他にも様々な見どころがあります。お近くに行かれた際は、ぜひ立ち寄ってみてください。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。特技はお箏の演奏。