真如堂の本堂裏、北東の方角に石薬師堂があり、中には石薬師が安置されています。
真如堂の中でも最も奥にあるのが石薬師堂。目指していかないと行くことがない場所かもしれません。お堂の中には石で造られた薬師如来像があります。平安遷都の頃、大地より光沢のある蓮華のつぼみに似た大きな石が出てきたといいます。おそらく都の工事の最中に発見されたのでしょう。桓武天皇はこの石の上にお堂を建て、石の頭で作った薬師如来像を安置させました。
「京都坊目誌」によると、時が下り、戦国時代の正親町(おおぎまち)天皇の時代に今出川内府という方に命じ、真如堂の僧侶・全海にこの石薬師をまつらせたといいます。祀られた場所は京極今出川(寺町今出川)とされますが、真如堂がその場所に移転してくるのは正親町天皇の時代(~1586年)の後になる1587年ですので、多少の祖語はありそうです。いずれにしても京極今出川(寺町今出川)の南に移転してきた真如堂の中で石薬師は祀られて信仰を集めていました。
御所の石薬師御門があるのはまさにこの真如堂の旧地です。真如堂は元禄時代に神楽岡にある現在地に移転をし、石薬師も同じく移されてきましたが、寺町今出川の南には今も「真如堂前町」「真如堂突抜町」の町名が残っており、石薬師御門も真如堂にまつわる名前を今に伝えています。現在も真如堂に祀られる石薬師。境内に行かれる際は、歴史をしのんで訪れてみてください。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。特技はお箏の演奏。