八幡市にある頼風塚と女郎花塚

頼風塚
八幡市に頼風塚女郎花塚と呼ばれる二つの塚があります。

頼風塚の入り口男山の東の住宅街に隠れるようにあるのが頼風塚(男塚)です。場所は分かりにくく、よく地図を見ながら訪れてみてください。一方の女郎花(おみなえし)塚(女塚)は松花堂庭園の中にあります。こちらの方は庭園を訪れた方は目にできるでしょう。二つの塚は謡曲(能)の「女郎花」にちなみます。小野頼風は男山のふもとに住み、都の女と深い中になりますが、やがて関係が冷えて足が遠のいてしまいます。そして女は八幡に訪ねて来るものの、頼風には別の女があると聞いて恨み悲しみ、男山の東を流れる放生川(涙川)に身を投げて亡くなってしまいました。

松花堂庭園の女郎花塚頼風は女を川辺に葬りましたが、女が死ぬ間際に打ち捨てた衣はやがて朽ち、その跡には女郎花が咲き出します。頼風が女郎花の場所に訪れると、花は頼風を嫌うように遠のき、頼風が遠のくと元のように戻りました。頼風はそこまで自分のことを恨んでいるのかと自責の念にかられ、後を追うように放生川に身を投げて亡くなりました。人々はこのことを哀れんで、二人の塚を築いたと伝わっています。

頼風塚と葦頼風塚の周りには葦(よし)が生い茂り、その向きは南にある女郎花塚の方ばかりを向いているといわれています。実際に現地の頼風塚を訪れると、なんと葦のなびく向きは確かに南の方角で、物語の世界を感じさせてくれました。一方、松花堂庭園にある女郎花塚の周りには女郎花の花が植えられ、秋には美しいと聞きます。機会があれば、ぜひそれぞれを訪れてみてください。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2016」監修。特技はお箏の演奏。

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