京都御苑の拾翠亭を訪れました。サルスベリ(百日紅)の花が美しく咲いています。
拾翠亭(しゅうすいてい)は、公家の九条家の現存する茶室で、勾玉形とも呼ばれる九条池に臨む2階建ての眺めが特徴です。京都御苑の南西付近にあり、駅から近い一方で茂みに囲まれてやや分かりにくいため、御苑の中でも穴場スポットといえるでしょう。拾翠亭は、金曜日と土曜日の9時半~15時15分最終受付で一般公開されており、僅か100円という拝観料で一流公家の茶室に上がり、素晴らしい風景を眺めることができます。
ちょうど今はサルスベリの花が見頃。窓から見事な赤い花を眺めることができ、池の奥にかかる高倉橋の風景も重なってとても京都らしい風情に溢れています。訪れる人は多くはなく、運が良ければこの風景を貸し切りで楽しむことができます。拾翠亭の名には、翠(みどり)の草花を拾い集める、という意味があり、初夏には新緑や楓、真夏にはサルスベリ、秋には紅葉と、それぞれ美しい景色を見せてくれます。
今年はサルスベリの花が不順ですが、拾翠亭は例年通り綺麗な花を咲かせてくれました。毎年こうして同じ時期に同じ光景に出会えることに感謝をするばかり。実は今年はサルスベリの開花が早いそうで、例年ですとお盆のころまでは楽しめますが今年はちょっと分かりません。残念ながら、拾翠亭は週に2日間しか開いていませんので、拾翠亭に上がるにはできるだけ土曜日のうちに行かれるとよいでしょう。
ただ、拾翠亭の建物は外からも眺めることができ、高倉橋はいつでも渡ることができます。外から眺める光景もきれいです。一方、九条池には厳島神社もあってその周りのサルスベリも例年だとなかなか綺麗なのですが、こちらは今年は不順で花付きが悪いです。桔梗は当たり年でしたが、サルスベリは厳しい年。昨年来の異常高温が影響をしていそうです。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2016」監修。特技はお箏の演奏。