丹後で小野小町ゆかりの地といえば、京丹後市大宮町五十河(いかが)です。小町について学べる小町の舎(やかた)と小町の墓があり、そば処「歌仙」は、日曜日のランチタイムのみの営業ですがおいしい食事を頂けます。
先日、小野小町ゆかりの京丹後市大宮町五十河(いかが)を訪れました。小野小町は、平安初期(9世紀頃)の女性で、一般的には絶世の美女として知られているでしょう。歌人として名高く、六歌仙のひとりにも数えられ、百人一首には「花の色は うつりにけりな いたづらに わが身よにふる ながめせしまに」の和歌が選ばれています。しかしその出自や晩年、実在性を含めて謎が多く、全国各地にゆかりとされる地が存在しています。
京丹後の伝説では、歳を経て、都から天橋立を訪ねる旅に出た小町が、上田甚兵衛なる人物と旅の道連れになり、旅の疲れから五十日(いかが)の甚兵衛の家に厄介になることになる話として語られます。甚兵衛がこの村には火災が多いのでどうすればよいかと小町に相談すると、小町は五十日の「日」は「火」に通ずるので「河」に改めてはどうかと答え、村の名を五十河に変えると、村は火災から救われるようになったといいます。
やがて旅の疲れがとれた小町は天橋立への旅を続けますが、今度は途中の長尾坂で猛烈な腹痛に襲われてしまいます。たまたま上田甚兵衛が通りかかって、小町を背負って村に帰りましが、薬の効き目もなく亡くなってしまったのだそう。小町は甚兵衛によって厚く葬られ、五十河には小町の墓が築かれました。現在の五十河には、小町公園と「小町の舎(やかた)」があり、小町の像が展示されているほか、小町の墓にも参拝をすることが出来ます。また、小町を開基として祀る妙性寺も存在しています。小町の舎は200円で小町伝説についての展示を見られますので、ぜひ立ち寄ってみて下さい。
その「小町の舎」と小町の墓との間にあるのが「歌仙」というそば処です。オープンは日曜日のみで、時間は11時~15時ですが、蕎麦の提供は11時30分~13時30分がラストオーダーです。事前予約も出来るそうですが、営業日は日曜日のみですので1週間前には連絡を入れる必要があります。メニューはざるそば(800円)のほかに、天ぷら付き(1100円)、麦とろ付き(1200円)です。蕎麦やお米、お野菜を含めて五十河で採れた食材を使っているのが特徴で、蕎麦も注文を受けてから打っているそう。運営も地元の方々がされておられます。お味はいずれも美味しく、また訪れたいと思う場所です。五十河の小町ゆかりの地を訪ねる際は、せっかくですので「歌仙」も込みでお楽しみ下さい。
「京ごよみ手帳2019」訂正のお知らせ
・P39の三十三間堂「楊枝のお加持と大的大会」の日程が1月14日となっていますが、正しくは「1月13日」です。
・P225の「京都御所」のデータで、2番の休みは「月曜(祝日の場合は翌日)・年末年始・臨時休あり」です。
ご迷惑をおかけいたします。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
第15回・第14回京都検定1級(合格率2.2%)に2年連続の最高得点で合格。気象予報士として10年以上。京都検定マイスター。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳」監修。特技はお箏の演奏。