現在南山城の秘仏公開が行われており、木津川市加茂の旧燈明寺では、11月3日まで五観音像の特別開帳が行われています。
旧燈明寺は、奈良時代に行基による開創と伝わり、その後日蓮宗の寺院となっていましたが、現在は廃寺となっています。実は、横浜の三渓園へと三重塔が移築されており、”関東最古の木造仏塔”として知られています。さらに三渓園には旧燈明寺本堂も移築されましたが、加茂の旧地には収蔵庫が建てられて本尊など5体の観音像が保管され、毎年この時期に限って公開されています。また、鎮守社の御霊神社も祀られ普段から参拝ができます。移築された三重塔の跡地も目にすることができます。御霊神社は普段よりも本殿へと近づけ、本殿脇の舞楽や力士の絵も間近で見られました。
個人的には旧燈明寺の仏像拝観は初めて。興福寺で一日で造立されたという不空羂索観音像は、とても一日で造られたとは思えない出来ばえでした(胎内で見つかった紙に一日造立の記載がある)。5体はもと六観音だったともされ、如意輪観音以外がそろい、珍しい馬頭観音像も拝めました。うち不空羂索観音像を含む4体は作風がよく似ています。仏像は間近で拝観でき(撮影不可)、燈明寺の往時の姿のジオラマも置かれています。
御開帳は11月3日まで10時~16時で無料です。また、近くの現光寺では今年は11月3日に限り、十一面観音坐像が公開されます。なお、説明書きに旧燈明寺の灯籠が真如堂へ移されたとの記載を見つけ、写真も見せてもらって「そういえば!あるぞ!」と思い出しました。最後に真如堂の灯籠の写真を掲載します。
『京ごよみ手帳2021』休刊のお知らせ
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散策・講座のお知らせ
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
京都検定1級に3年連続最高得点で合格(第14回~第16回、第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2020」監修。特技はお箏の演奏。
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