南禅院の風景

南禅寺の南禅院を訪れました。

南禅院

南禅院は、南禅寺発祥の地に建つ塔頭寺院です。鎌倉時代、亀山上皇の離宮がこの場所にあり、襖がひとりでに開くなどの妖怪騒ぎが起こります。有名なお坊さんに念じさせても一向に収まる気配がないため、上皇は困り果てていました。あるとき、東福寺の高僧・無関普門(むかんふもん)禅師に相談をしたところ、禅師は弟子とともに離宮に入り、読経をするでもなくただ座禅の修行を続けただけで、騒ぎを収めてしまうのです。こうして亀山上皇は無関普門に篤く信仰心を寄せ、ついには離宮そのものをお寺としたのが南禅寺の始まりとされます。

南禅院

この南禅院のお庭は池泉回遊式の庭園で、亀山上皇の離宮時代のおもかげを残す庭園として価値が高いため、国の史跡、さらに名勝に指定されています。天龍寺、苔寺で知られる西芳寺と並んで、夢窓疎石による作庭と伝わり、京都の三名勝史蹟庭園のひとつです(なお、亀山上皇による作庭説もあります)。

南禅院

緑の美しさも格別で、池の周囲を歩くと風景も変化し、木々に囲まれた非日常の空間を楽しめます。滝の流れもあり、水の音が響いて癒しの空間となっています。さほど広い場所ではありませんが、南禅寺の歴史を感じながら濃密な時間を過ごせる場所です。亀山上皇の分骨所もありますので、よければご参拝下さい。

南禅院

ガイドのご紹介

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京都検定1級に4年連続最高得点で合格(第14回~第17回、第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2020」監修。特技はお箏の演奏。

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