5日に「ひかりの京都」と題したイベントの一環でライトアップされている山科の安祥寺を訪れました。
山科の安祥寺は、2019年から公開が始まったお寺。平安時代の建立で、奈良時代末の造立とされる十一面観音立像が貴重で、かつて安祥寺に祀られていた五智如来坐像は、現在京都国立博物館に寄託されて、国宝に指定されたことでも話題になりました。往時は山上・山下に大規模な伽藍が広がった大寺院で、山科駅周辺の安朱(あんしゅ)の地名も安祥寺に由来すると言います。
さて、「ひかりの京都」は、今年京都各地で行われているイベントで、JR東海の「そうだ京都、行こう。」キャンペーンの一環で開催されています。ホームページによると「京都が元気を取り戻す日」と「疫病の収束」を願う“希望の灯り”で、京都の街と人々を照らすイベントとのこと。 “希望の灯り” は竹灯籠に灯され、各社寺を幻想的に照らしています。場所によって開催期間が異なる点はご注意を。
目玉は4年ぶりにライトアップされる神護寺(11月5日~7日)と、今回ご紹介している初のライトアップとなる安祥寺(11月3日~14日)でしょう。他にも石清水八幡宮(11月12日~12月5日)も、過去に見たライトアップでは大変綺麗でおすすめ。東寺・建仁寺・平等院・興聖寺は特別拝観があり、事前予約が必要です。予約についてはこちらからご確認ください。このブログを書いている時点で、平等院はすでに予約が埋まっていました。
安祥寺のライトアップは初とあって、どのような雰囲気か興味津々でしたが、本堂は外から拝む形式で、十一面観音立像と四天王像が厳かな雰囲気で照らされていました。お昼と違い、堂内には入れません。また、解説もありませんので、仏像にご興味のある方は予習をして行かれるとよいでしょう。
そして、境内の奥にある鎮守社、青龍大権現が幻想的な灯りに包まれていました。明るすぎず暗すぎずといった印象です。青龍大権現は開基の僧・恵運が、唐の青龍寺より請来して祀ったとされ、神護寺や醍醐寺など、真言宗寺院で祀られる清瀧(せいりゅう)権現と同じ存在ということかもしれません(安祥寺も真言宗)。
平日の夜でしたが、参拝者はそれなりに訪れていました。なお、見た感じでは紅葉はなさそうで、ライトアップは紅葉シーズンがピークになる前の14日までで行われています。時間は17時30分~19時最終受付。料金は500円です。暖かい服装でお出かけください。
ガイドのご紹介
京都検定1級に4年連続最高得点で合格(第14回~第17回、第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2022」監修。特技はお箏の演奏。
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