廬山寺(ろざんじ)の特別公開が5月8日まで行われています。

御所の東にある廬山寺は、紫式部が過ごした邸宅跡に寺地をもつ源氏物語の執筆地として知られ、紫式部とその子・大弐三位の百人一首の歌碑も建つお寺です。庭園は昭和40年に整備されて「源氏庭」と名付けられています。白砂に緑の苔が絵巻物の雲のような形で配され、そこに多数の桔梗(ききょう)が植えられています。まだ桔梗の花の時期には早いですが、すでに葉は茂ってきていました。

5月8日までは非公開文化財特別公開で、元三大師堂の内部が公開されて、お前立ち鬼大師像、明智光秀の念持仏、兜跋毘沙門天像など、貴重な仏像群を目の前で拝することができます。

さらに、本堂では本尊の阿弥陀三尊像に通常より近い距離で拝せました。平成29年に国の重要文化財に指定され、平安末期から鎌倉初期にかけての造像と推定されています。定朝様式の丸顔の阿弥陀如来像が中央に位置(廬山寺の墓地には定朝のお墓もあります)。両脇侍の勢至菩薩・観音菩薩は、大和座りと称される腰を少し浮かせた座り方をしているのが特徴です。肩にかけた天衣(てんね)は後方にたなびく姿で、来迎のスピード感を表現しています。

他にも源氏物語関連の常設展示も充実しており、境内の新緑の美しさも見事です。墓地には秀吉が築いた御土居が残り、江戸時代の歴史を伝える慶光天皇(閑院宮典仁親王)のお墓もあります。この機会に訪れていただくのもおすすめです。
ガイドのご紹介

京都検定1級に5年連続最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2022」監修。特技はお箏の演奏。
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