9月15日に清水寺の青龍会をご案内で訪れました。ご参加ありがとうございました。
清水寺の青龍会は、2000年に始まった比較的新しい行事で、清水寺門前会の皆様によって奉納されています。風水思想では東方の清らかな水がある場所は「青龍」の地とされ、清らかな水が涌きあふれる清水寺の音羽の滝には、観音の化身である龍が夜ごと飛来して水を飲むといい伝えられています。また、奥の院の南端には夜叉神堂があって、縁結びの観音に対して人々の悪縁を断つ(+良縁を結びなおす)として信仰を集めていました。すなわち青龍の地の清水寺で、音羽の滝の龍の故事と夜叉神への畏怖の念が結びついて、人々の安寧を祈願する青龍会(せいりゅうえ)が始まりました。
青龍会は本堂を経て奥の院から始まります。奥の院は狭いながら龍の動きを目の前で見られる場所でもあります。その後、一行は音羽の滝を通って西門(さいもん)から階段を下りてきます。西門では最初に法螺貝を吹いて先触れを行う「転法衆」が進み、続いて鎧姿の「四天王」らが順次下りてきて、いよいよ青龍が登場します。操っている方々の表情は真剣そのもの。連携も見事です。法螺貝や「南無観世音菩薩」の掛け声が響き渡り、厳かな雰囲気に包まれました。
普段は通ることが出来ないこの門から独特の衣装を来た一行が下りてくる場面は、青龍会のハイライトにもなっています。龍の頭や脚、うろこの裏にはびっしりとお経が書かれている様子もお見逃しなく。青龍会では仮面をつけた「夜叉神」が、幸福・厄除・招福を祈る観音加持を行います。具体的には八功徳水の法水を振りまき、一人一人の幸せを祈念してくれます。
以前は、西門を下りた一行は清水寺門前広がる商店街へと向かい、龍はところどころで勢いよく店に入って厄除け招福を祈願していきましたが、現在はコロナ禍で商店街は回らず、仁王門から再び境内に戻って終了となっています。この青龍会は、毎年3月14・15日、4月3日、9月14・15日のそれぞれ午後2時より行われています。門前会の皆様の気合みなぎる表情や統制のとれた所作も含め、一見の価値がある行事。実は来年は縮小されるとの噂も耳にしました。開催可否は時期が近づきましたら必ずご確認ください。
ガイドのご紹介
京都検定1級に5年連続最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2022」監修。特技はお箏の演奏。
散策・講座のお知らせ
- 【過去の講座動画の販売を行っています!】
過去の講座動画の販売はこちらから。 - 【講座を受付中!】 7月~9月開催
【配信講座】京都を楽しむ春夏秋冬のめぐり方
【配信講座】京都の定番スポット徹底解説 - 【散策を受付中!】
9月21日(水)13時30分~16時頃
秋を感じる”萩の寺”から”萩の宮”へ!裏道を抜けて法成寺跡の礎石?を見学
9月27日(火)13時~16時頃
窓からの眺めを楽しむ雲龍院と知る人ぞ知る承久の乱ゆかりの天皇陵へ - 【受付予定】
10月3日(月)午後、10月12日(水)午後 → 行き先未定
- 【まいまい京都さんで受付中!】
9月17日(土)14時30分~17時頃
【木幡】京都と奈良を結ぶ要所、藤原一門の聖地“木幡の里”へ
9月19日(月・祝)14時~16時30分頃
【鳥羽離宮】史上空前規模の離宮跡!華やかな院政文化、平家物語の世界へ
9月25日(日)14時~16時30分頃
【中京】京都まちなか隠れ珍スポット10連発☆碁盤の目ジグザグ探検ツアー - 【NHK文化センター京都教室で受付中!】
「京ごよみ手帳」で学ぶ京都の行事 - 【NHK文化センター神戸教室で受付中!】
【3回】旬の京都を再発見!プロのガイドと歩く古都