仁和寺の風景

先日、仁和寺を訪れました。9月30日まで「京の夏の旅」で金堂と御影堂の内部が特別公開されています。

仁和寺 金堂

いよいよあとわずかの期間となった「京の夏の旅」。仁和寺では金堂・御影堂の内部が特別公開となっています。仁和寺は世界遺産のお寺として知られ、平安時代に光孝天皇によって建て始められました。しかし天皇は完成を見ることなく亡くなり、その子の宇多法皇によって仁和4(888)年に完成しています。

仁和寺 五重塔

仁和寺は、京都でも数少ない元号を冠するお寺で、境内では京都三大門にも数えられる立派な二王門や、優美な五重塔、御所の紫宸殿を移した国宝の金堂が優美です。春には京都の桜を締めくくる遅咲きの御室桜が咲くことでも有名。特別公開の金堂内では、江戸時代の阿弥陀三尊像をはじめとする諸仏を拝することができました。

仁和寺 二王門

一方、境内の北西にある御影堂は、江戸時代初期の慶長期に建てられた御所の清涼殿が寛永年間に建て替えられる際に、古材を拝領して建てられた宝形造の仏殿です。応時と形は変わっていますが、部材の再利用という意味で貴重な建物。内部には、弘法大師・空海と宇多法皇、仁和寺第2世の性信(しょうしん)親王の像が安置されています。特別公開では、それぞれの像を目の前で拝することができました。

仁和寺 御影堂

御影堂は、2016年秋に檜皮葺の屋根の吹き替えが終了し、美しい外観を目にすることができるようになりました。仏殿ではありながらも、天皇の日常の住まいである清涼殿の古材を使っているとあって、扉や蔀戸、それらに付随する金具などは、やはり御所の雅な雰囲気を感じさせてくれます。蔀戸につけられた蝉の金具も清涼殿からのものだそう。仁和寺の金堂は瓦葺きですが、御影堂は形は変わりながらも檜皮葺とあって、やはり高貴な雰囲気があります。特別公開は9月30日まで行われています。

仁和寺 御影堂の金具

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京都検定1級に5年連続最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2022」監修。特技はお箏の演奏。

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