北野天満宮のずいき神輿 2022年

北野天満宮のずいき祭りが10月1日から始まりました。今年も4日まで御旅所にて「ずいき神輿」が登場しています。

ずいき神輿

ずいき祭りの「ずいき」とは芋の茎のことで、ずいきで屋根が飾られた「ずいき(瑞饋)神輿」が登場することからそう呼ばれています。平安時代にこの付近一帯の西ノ京の人々が五穀豊穣を感謝し、新しく採れた穀物や野菜などを飾り付け、道真公の神前にささげたのがお祭りの始まり。400年前の江戸時代初め、北野天満宮の社殿が再建された1607年にずいき神輿となり、1802年には現在と同じ形の神輿になりました。明治維新の改革により祭りは中止となってしまいますが、地元の有志の力で15年後に復活を果たして現在に至っています。

ずいき

今年は3年ぶりに1日の神幸祭の行列があり、北野天満宮から御旅所へと鳳輦や華やかな行列が向かいました。ようやく例年の姿に戻ってきました。

鳳輦

御旅所には1日からずいき神輿も祀られています。ずいき神輿の飾り付けは、御旅所付近の西ノ京の人びとが担っています。神輿は二つあり、小さめの子ども神輿と大人の神輿とがあります。今年も製作いただけたことに感謝です。

ずいき神輿 子ども神輿

神輿の四方の飾り付けは毎年異なった物語が描かれており、楽しみにされている方も多いです。材料は「土に還るもの」で行われるため毎年作り直す必要があります。千日紅は9月1日に収穫をして乾燥させたのちに、糸を通す作業を行うとのこと。花の総数は1万にも及ぶそう。また数日間持たせるため、ずいきは前日に収穫をして屋根に飾り付けます。数日経つと乾燥して縮み、屋根に隙間ができてくるため、例年4日の還幸祭の前には隙間に補充をするそうです。

パンダ

近年は農家も農地も少なくなりましたが、今も住民たちが自分たちで野菜を育てて神輿を作っておられて、毎年気候が違うなか、決まった日付に収穫期を合わせるのは大変なご苦労があるようです。また、麦わら細工は再利用はできますが、その精巧な模様や龍の図柄は友禅の型彫師にお願いをしているそう。まさに住民の思いや伝統技術が一体となって受け継いで来られたお神輿です。

金太郎

ずいき神輿は、それぞれ多彩な材料を見事なアイデアで使用して形作られていて、感嘆するばかり。毎年変わる四面では、今年は正面の「パンダ」が目を引きます。日中国交正常化50年を意識されておられるのでしょうか。尾長鶏も精巧な作品。武蔵と卜伝は若き日の武蔵が食事中の卜伝に勝負を挑んで切りかかり、卜伝が咄嗟に鍋の蓋を盾にして刀を受け止めた場面です(ただし史実ではない)。他にも金太郎の昔話、ミニオンズフィーバー、ジュラシックワールドもよくできていました。

武蔵と卜伝

さて、個人的にはこのずいき神輿を見ることで「いよいよ10月が来たなぁ」と感じます。恐らく、同じような思いを持っておられるかたもいるでしょう。ずいき神輿は、4日に午前まで御旅所に鎮座し、12時半より経路を短縮しながらも巡行が行われます。今年も例年通りの姿を見せてくれた個性的なずいき神輿。京都旅屋でも3日に散策で訪れます。お気軽にご参加ください。

尾長鶏

ガイドのご紹介

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京都検定1級に5年連続最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2022」監修。特技はお箏の演奏。

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