梅小路公園の朱雀の庭では、10月10日まで「藤袴と和の花展」が行われ、藤袴(フジバカマ)の鉢植えが並べられて蝶も飛び交っています。
まずはお知らせから。災害のお話しをさせていただく散策で皆様から頂戴した金額から、台風15号の静岡県大雨災害義援金として、1万円を寄附させていただきました。ご参加ありがとうございました。また、例年この時期に出版されていた「京ごよみ手帳」ですが、休刊となり2023年版から発売がございません。お待ちいただいていた方がおられましたら、申し訳ございません。私としても大変残念ではありますが、またどこかで出版物ともご縁があればと思います。
さて、梅小路公園では10月10日まで、恒例の「藤袴と和の花展」が行われています。京都では2008年の源氏物語千年紀の頃から3年間「守ろう!藤袴プロジェクト」が行われ、各地に藤袴が植えられました。藤袴は、秋の七草のひとつで、源氏物語にも「藤袴」の帖があるように、古くから日本人に親しまれてきた花です。しかし、近年は数が減り、絶滅危惧種に選定されています。
1998年に、その野生種が大原野の古池で発見され、先述のプロジェクトで、京都中に広がっていきました。藤袴と和の花展も、近年の恒例行事として楽しみにされている方もおられるでしょう。梅小路公園は、平安遷都1200年を記念して整備された都市公園で1995年に開園しました。2013年には京都水族館もオープン、2016年は鉄道博物館が開館し、2019年には新駅の梅小路京都西駅が開業するなど、近年京都で注目されている場所のひとつです。
「藤袴と和の花展」が行われているのは公園内の「朱雀の庭」です。200円が必要な有料ゾーンですが、そこはまさに都会のオアシス。小川が流れ滝もあり、一面の芝生に木々が茂る散策路など、密度の濃い自然に囲まれた癒しの空間です。有料なこともあってか人は少なく、喧騒からも距離を置いてじっくりと散策をしたり、ベンチに座って時間を過ごせる場所です。私も好きで、時々訪れています。
藤袴の清楚な花は、意外な程の甘い香りを持っていますので、花に囲まれているのも心地がよいです。その甘い香りに誘われてか、蝶がたくさん飛んでくるのも魅力のひとつ。アオスジアゲハやツマグロヒョウモンを中心に、渡り鳥ならぬ渡り蝶としても知られるアサギマダラもごく少数ですが飛んで来ます。蝶の数は多いので、蝶の種類を選ばなければ、写真に収めるチャンスもあるでしょう。
アサギマダラは南西諸島や台湾へと長い旅をする渡り蝶でもあり、藤袴の甘い蜜を吸いながら時折優雅に飛び回ります。長い旅を前に栄養を補給しているのでしょうか。今回は見かけませんでしたが、時にはアサギマダラの羽に人の手でマーキングがされていて、どこから飛んできたかが分かるようになっていることもあります。京都では、大原野や水尾が藤袴で有名ですが、藤袴の花は各地で鉢植えが置かれています。運が良ければ他の場所でも見られるかもしれませんので、美しい蝶の姿にも注目をしてみてください。
ガイドのご紹介
京都検定1級に5年連続最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2022」監修。特技はお箏の演奏。
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京ごよみ手帳、毎年買っていましたが、とても残念です。
今年も発売を楽しみにしていたのですが。
また世の中が普通に戻ったら、復刊してほしいです。
ありがとうございます。私も残念ですが、また再刊されることを願いたいです。