京都 まだまだある節分行事

様々な場所をご紹介してきた京都の節分。今年訪れた残りの場所をご紹介します。

北野天満宮

北野天満宮には、まいまい京都さんの散策で訪れました。ご参加ありがとうございました。行事はかなり人が多かったのですが、茂山千五郎社中の追儺狂言を垣間見てきました。福の神が高らかに笑いながら登場する場面が見所で、続いて芸舞妓さんの舞踊と豆まきもありました。

法輪寺

だるま寺の法輪寺では、2日・3日に福だるま授与があり、願い事を書いたお札を大きなだるまに貼っての祈願もできました。例年より規模は縮小されていましたが、それでも参拝者で賑わっていました。

聖護院

東山の聖護院では、節分の2月2日・3日は、拝観料も不要で夜の20時頃まで境内に入ることができ、修験道特有の蔵王権現像や役行者(えんのぎょうじゃ)像、、智証大師・円珍作という平安期の不動明王像など、貴重な仏像に手を合わせることができます。修験道は日本古来からの山岳信仰と仏教や道教が結びついた、日本独自の信仰形態です。厳しい山々で修行し、困苦を忍び、心身を修練して法力(験)を得て、やがては悟りを開き即身即仏を目指します。

聖護院

また、宸殿や書院内部の保存状態の良い見事な襖絵も目の前で見ることができ、その格式の高さを感じられます。こちらも暗くなる時間帯のほうが金箔の輝きが感じられるでしょう。節分の日は、宸殿前で蝋燭や節分豆を求めると、山伏さんよりご祈祷もして頂けます。お昼間は鬼が境内をウロウロしていることもありますが、聖護院の鬼はユニークで寝そべったり面白い動きを見せてくれました。

千本ゑんま堂 こんにゃく炊き

西陣にある千本ゑんま堂の節分では、中風除け・諸病除けとして「こんにゃく炊き」が今年は持ち帰り限定で頂けました(500円)。嘘をつくと閻魔様に舌を抜かれると言いますが、コンニャクには裏表がないため正直な生きざまを表し、閻魔様の好物とされています。

千本ゑんま堂 こんにゃく炊き

面白いのはコンニャクの形が「舌」に似せてあるところ。また「困厄(こんやく)」や「厄がこん(来ん)」という語呂合わせから、困り事や厄除けにご利益があるとして信仰されています。今年は観覧人数限定で「ゑんま堂大念仏狂言」も奉納され、豆まきはエアーで行われたとのことです。

吉祥院天満宮 鳴釜神事

夜に訪れた吉祥院天満宮の節分祭では、鳴釜(なるかま)神事が行われます。鳴釜神事は、釜鳴り神事や鳴動(めいどう)神事とも呼ばれ、樽のような甑(こしき)型の釜が熱っせられると「ボォー」という音が突如鳴りだして、それによって神の託宣を聞くという神事です。その不思議な音は、初めて聞くと驚くことでしょう。この神事の発祥は岡山県の吉備津神社です。吉備津神社は温羅(うら)という名の鬼を退治した吉備津彦の伝説でも知られ、退治された温羅の首はお釜殿(おかまでん)の下に埋められたといい、その唸り声ともいわれる釜の音で吉凶を占う神事が行われています。

吉祥院天満宮

京都の吉祥院天満宮と花山稲荷神社の鳴釜神事も、新年に当たって釜の鳴り具合からその年の吉凶を占う意味合いがあると思われます。今回もやはり不思議な「ボォー」という音が強弱を繰り返しながら響きました。ちょうど神事が終わる時に音が消えたのも不思議でした。

引き続いて火焚きも行われ、勇壮な炎が上がっていきました。音が響く様子は動画もあります。イヤホンを付けて聞いていただくとわかりやすいでしょう。社寺の多い京都の節分行事は本当に多彩で個性的です。今年は久しぶりに各地で例年に近い開催となりました。関係者の皆様に感謝いたします。

ガイドのご紹介

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京都検定1級に6年連続最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2022」監修。特技はお箏の演奏。

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