御所東にある梨木神社。萩の名所として知られますが、境内の新緑も綺麗です。
梨木神社の創建は明治18年で、三条実萬(さねつむ)がまず祀られ、大正4年にその子である三条実美(さねとみ)が合祀されています。実萬は「今天神」とも呼ばれるほど学問に秀でたため、神社は学問の神として崇められています。実美は長州派の公家として幕末維新に活躍し、新政府では総理大臣代理も務めた人物。幕末明治ファンの間では超有名人物といえるでしょう。
境内には多くの萩が植えられており、例年9月中旬~下旬に萩まつりが行われて賑わいます。また、境内に湧く水は「染井(そめのい)」と呼ばれる京都三名水のひとつとして名高く、水を汲みに来る方も多くおられます。この時期の境内は静かで、緑の美しさは際立っています。
そして初夏に真っ赤に色づくノムラカエデ(野村楓)も見られ、逆光に透かすとその輝きは秋の紅葉そのものです。この品種は一年中真っ赤というわけではなく、初夏に真っ赤な葉が茂り、真夏にはやや緑色に変わって、また秋に真っ赤に紅葉します。真っ赤な様子を楽しむならば今の時期が最適。写真だけなら「秋の紅葉」と言われても信じてしまいそうな光景です。
ノムラカエデは順光で見ると少しくすんだ赤色に見えますので、紅葉のように見るコツは逆光で日差しにかざすこと。ノムラカエデは各地に植わっていますので、ぜひ太陽の日差しが明るい日に探してみてください。
また境内には「白雲木(はくうんぼく)」が白い花を咲かせていて目を引きました。白い花が連なって咲く様子が、まさに白雲のようということで名付けられたといいます。今年は既に初夏の雰囲気で花の色どりは少なくなってきましたが、清楚な雰囲気を楽しむことができました。
ガイドのご紹介
京都検定1級に6年連続最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2022」監修。特技はお箏の演奏。
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