智積院の新宝物館が完成

智積院では、4月4日に新宝物館が公開となりました。長谷川等伯一派による障壁画を新たな環境で目にすることができます。

智積院 宝物館

智積院は、豊臣秀吉が幼くして亡くなった鶴松を弔うために創建した祥雲禅寺の場所に移ってきたお寺です。有料拝観エリアの名勝庭園はその秀吉時代に築かれたものを受け継ぎ、江戸時代に修築されて現在に至っています。

智積院 宝物館

祥雲禅寺の客殿に描かれた長谷川等伯による楓図と、等伯の息子・久蔵が描いた桜図などの障壁画は、4月に開館した新しい宝物館で目にすることができます。桜図は桜の花を立体的に表現した胡粉(ごふん)の盛り上がりが印象的で、新しい宝物館のライティングではまさに陰影がはっきりして立体的な様がよくわかりました。

智積院 宝物館

等伯一派の障壁画は、天和2(1682)年の客殿焼失や、明治25(1892)年の盗難、昭和22(1947)年の火災を経て現存している貴重な作品群で、近年は安原成美氏によって松に黄蜀葵図(まつにとろろあおいのず)が元々の絵の焼け残り部分を上部に継いだ絵であるとの研究成果が出ています。昭和の火災前の作品は写真が残り、発掘調査で判明している祥雲禅寺客殿の間取りを踏まえて、往時の襖絵の様子を具体的に推定する試みもあります。宝物館を訪れる前に安原成美氏の研究成果を学んでから訪れるのもよいでしょう。

智積院

新しい宝物館では想像以上に絵を身近に感じることができ、絵の細部までよくわかるライティングでした。長谷川等伯一派の作品群の魅力が伝わってきました。機会がありましたら、ぜひ訪れてみてください。

ガイドのご紹介

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京都検定1級に6年連続最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2022」監修。特技はお箏の演奏。

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