北野天満宮では、13日まで御手洗川足つけ灯明神事と本殿「石の間」の特別公開が行われていました。
北野天満宮は菅原道真公をご祭神とし、学問の神として崇敬を集め、この時期は七夕の飾りも出て境内が華やかです。今年は5日~13日まで「御手洗川(みたらしがわ)足つけ灯明神事」が、11日~13日の16時~19時40分(最終受付)で本殿「石の間」の特別公開が行われていました。
本殿は慶長12年(1607)年に、豊臣秀頼によって建造されたもので国宝建築です。本殿としては大型ですが、その理由は本殿と拝殿が一体化をしているため。そして拝殿と奥の本殿との間に位置するのが、14日まで公開されている「石の間」です。神と人間の世界をつなぐ神聖な場所とされ、神職しか入れなかった場所ですが2016年からお盆の時期に公開されるようになりました。たいへん霊験あらたかな場所へと足を踏み入れることが許される貴重な機会です。
内部の写真撮影は不可ですが、多数の燈籠が並べられ、貴重な宝物や狛犬などが展示されています。明るい時間帯の方がはっきり見えるかもしれませんが、夜はやはり非日常の感覚が増すでしょう。神職によるご説明もあり、より内部の展示や建物の理解が深まりおすすめです。料金は1000円。また来年も開催されると思いますので、ぜひ訪れてみて下さい。
さて、もうひとつの「御手洗川足つけ灯明神事」も2016年から行われています。北野天満宮では江戸時代まで旧暦の七夕に水に足を付けて厄を祓う御手洗祭を大規模に続けてきましたが、明治以降は縮小していたそう。これを現代に合わせた形で再興するため境内に新たに川の流れを設け、9月に催行される北野祭の一環で足つけ灯明神事が行われています。
足つけ灯明神事の参加受付は絵馬堂で、今年は13日までの9時から19時40分最終受付で行われていました。料金は500円。まず最初にご利益が異なるロウソクを1本選んで授かります。そして靴などを脱いで裸足になると、境内の御手洗川の中に足を浸していきます。御手洗祭といえば下鴨神社が有名ですが、同じような流れです。今年は水が冷たく感じ、クールダウンもできました。
ロウソクは川に下りて早々に灯すことができます。ロウソクは川から上がると献じる場所があり、再び靴を履いて終了です。三光門前には笹飾りや小さな灯籠が灯されて大変綺麗で、暗くなる時間帯もおすすめです。石の間に入らない方も、ぜひ本殿にご参拝ください。いずれの行事も今年は終了してしまいましたが、また来年機会がございましたら訪れてみて下さい。
ガイドのご紹介
京都検定1級に6年連続最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2022」監修。特技はお箏の演奏。
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