10月1日に、宇治で宇治茶まつりがあり、宇治橋の三の間で名水汲み上げの儀が行われました。
茶どころとして知られる宇治で毎年10月第1日曜日に行われているのが「宇治茶まつり」。お茶の効能を広めた栄西禅師と、宇治に茶園を開いた明恵上人、茶道の始祖千利休の三恩人への報恩感謝、かねては茶業功労者の遺績を追慕するとともに、宇治茶の隆盛を祈願するために行われているそうです。中止を含めて今年で第72回を数え、宇治市が発足した1951(昭和26)年から続く行事でもあります。
宇治橋の三の間では「名水汲み上げの儀」が9時過ぎから行われました。宇治橋の三の間は、宇治橋の上流部に向かって突き出したスペースで、古くは橋の守護神である「橋姫」を祀ったとされます。一方、ここから汲む宇治川の水は古来名水とされて、茶人に尊ばれてきました。豊臣秀吉が伏見城にいた際にはこの水を運ばせて使ったといわれます。名水汲み上式では、この故事にのっとり、三の間から釣瓶を垂らして水を汲む儀式です。
時間になると神職に続き、茶壷や水を汲む釣瓶や桶を手にした行列が三の間にやってきました。多くの方が周りを囲んで見守ります。宇治神社の神職さんが宇治川に礼をしお祓いののち、水を汲み上げます。汲まれた水は釣瓶から桶、そして竹筒に移されて、運ぶ準備が整えられます。
水が汲み終わると、一行は宇治橋を南へと進み、平等院の表参道から塔の島、朝霧橋を経て興聖寺へと進み、宇治の街を茶壷と名水が進んでいきました。今回は詳しく見ていませんが、興聖寺では、茶壺口切の儀・御献茶式、そして茶筅(ちゃせん)塚供養が行われています。今回は「まいまい京都」さんの散策で訪れました。ご参加ありがとうございました。
ガイドのご紹介
京都検定1級に6年連続最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2022」監修。特技はお箏の演奏。
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