11月に出水通に面した光清寺の特別公開がありました。
光清寺は、出水通に面した上京区七番町にある臨済宗建仁寺派の禅寺で、通常非公開のお寺ですが、「出水の七不思議」のひとつ「浮かれ猫」が伝わるお寺として知られています。
境内入ってすぐ左の弁天堂に絵馬の写真が常時掲げられています(本物の絵馬は本堂内で通常非公開)。光清寺のパンフレットから以下引用すると、江戸時代のある夜、近くの遊里から音楽が聞こえてくると、その節につられた光清寺の猫が絵馬から浮かれ出し、女性の姿に化けて踊り舞ったそうです。それを見た人が「浮かれ猫」と呼ぶようになったそう。しかし時の住職は不快に思い、法力で浮かれ猫を絵馬に閉じ込めてしまったと言います。
その夜、衣冠束帯に正装した武士が住職の夢に現れ、「私は絵馬の猫の化身です。あなたに封じ込められ不自由に耐えられません。今後は軽はずみを慎みますので、なにとぞお許しください」と嘆願しました。住職は哀れに思い封を解き、その後異変は無くなったそうですが、この話が広まって、人気商売や諸芸上達にご利益ありとして花街の名妓が参詣し「出水の七不思議」となったと伝わるとのことです。今回の特別公開では、本堂内で「浮かれ猫の絵馬」の本物を目にすることができ、撮影もOKでした。
さて、光清寺の本堂東側のお庭は「心和の庭」と呼ばれ、昭和42(1967)年に重森三玲によって作庭されました。光清寺の山号”心和山”にちなみ、「心」の字を蓬莱、方丈、瀛洲(えいしゅう)、壺梁(こりょう)の四つの島で構成した枯山水です。白砂が広大な海を、苔が島を、石が山を表しているようでした。三尊石組や七五三調に石が配されているそうです。重森三玲らしく印象的で明るいお庭で、座って眺めることができました。
また、境内に入った場所には「心月庭」があり、同じく重森三玲によって昭和49(1974)年に作庭されました。クロマツが枯死した後に築かれ、白砂台を設けて石を組み、金閣寺垣で囲んだ小庭です。”心月”は心の真実を月に例えた表現だそう。
今回の特別公開ではお茶の接待が別途有料であり、せっかくなので頂いてきました。その際に、浮かれ猫をイメージしたかわいい猫のシールがいただけ、お茶請けのお菓子にも猫があしらわれていました。本堂とは別の場所でゆったりと時間を過ごすことができました。
光清寺は通常非公開のお寺ですが、写経や坐禅体験、お寺でヨガ、こども諸堂などの行事が開催されています。詳細は光清寺のホームページをご確認ください。
ガイドのご紹介
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