特別公開の龍源院

先日、京の冬の旅で特別公開されている大徳寺の龍源院を訪れました。

龍源院は、常時公開されている塔頭で、1502年に東渓宗牧（とうけいそうぼく）を開山として創建されました。方丈の南側は昭和55年に築かれた枯山水で一枝坦（いっしだん）と称されて見事です。さらに北側の龍吟庭は室町時代の作庭で歴史的にも貴重な庭園となっています。特徴は、白砂ではなく苔で海を表現しているところ。建仁寺の両足院にも同様の庭はありますが、珍しい形式の庭園です。

龍吟庭の中央部には三尊石、ないし須弥山をかたどったとされる立石があり目を引きます。白砂ではなく苔で海を表現している珍しいお庭でもあります。龍源院には、他にも壷庭の東滴壷（とうてきこ）や滹沱底（こだてい）といった枯山水もあり、普段は静かに時を過ごせます。

2024年の「京の冬の旅」の特別公開では、通常は非公開の開祖堂が公開されています。開山の東渓宗牧の像を祀り、天井には南画家の井上石邨が描いた龍の絵を目にできます。龍の絵は撮影もOKでした。

また、鈴木松年が描いた「白蔵主（はくぞうす）と月にむら雲」の屏風も通常は目にできない面が公開されています。大徳寺では仏殿・法堂も特別公開中。3月18日までですので、機会がありましたら訪れてみて下さい。

ガイドのご紹介

京都検定1級に7年連続の最高得点で合格（第14回合格率2.2％）、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。BS朝日「あなたの知らない京都旅」、KBS京都（BS11）「京都浪漫」出演。特技はお箏の演奏。