醍醐寺の早咲き桜が見頃を迎え、圧巻の光景を見せています。
京都の早咲き桜の名所といえば桜が醍醐寺は外せません。すでに見頃を迎え、巨木の桜が立ち並ぶ様は圧巻です。天下人・豊臣秀吉が「醍醐の花見」を催したことでも知られ、境内にはその時の桜の子孫とされる巨木のしだれ桜があちらこちらに植わっています。その1本1本が、他の社寺にあれば有名になっていたに違いないと思えるほどの立派さ。有料拝観エリアの三宝院、伽藍、霊宝館のそれぞれで一級品の桜に出会うことができます。
醍醐寺は、三宝院・伽藍・霊宝館の3か所の拝観エリアに分かれ、3か所共通券のみでこの時期は1500円が必要です(三宝院の建物内拝観は別途500円)。販売場所は各エリアの入り口にあります。時間の都合などで入らなかったエリアの券は、次回以降にも使用できます。
寺は、国宝や重要文化財をなんと7万点以上も保有し、合計10万点以上もの寺宝を保管・展示しているのが霊宝館。こちらでしか目にできない貴重な寺宝を見学できる場所です。現在は水晶に入った小さな阿弥陀如来像が展示されています。霊宝館中庭の古木のしだれ桜は「醍醐深雪(みゆき)桜」または「醍醐大しだれ桜」と呼ばれ、数年前までは京都ナンバーワンといえる巨木の桜でしたが、近年樹勢が弱り、枝がずいぶんと寂しくなってしまいました。それでも、今年も美しく咲いてくれている姿には感動を覚えました。
醍醐寺では三宝院の入り口にも立派な桜があり、こちらは「太閤しだれ桜」と呼ばれています。三宝院のお庭は豊臣秀吉が自ら設計したと伝わり、太閤秀吉にちなんで名づけられているのでしょう。画家の奥村土牛(とぎゅう)は、この桜を「醍醐」という画名で絵に描いたところから、別名「土牛の桜」とも呼ばれています。また、奥にある憲深林苑の桜も見事ですので、忘れずに訪れて下さい。
伽藍のエリアの桜は2018年の台風被害を免れた木が多いです。なお、仁王門をくぐった部分は台風の影響で木が無くなったため、久しぶりに訪れた方は驚かれるようです。奥の弁天堂の周辺も桜が綺麗ですので、ぜひ足を延ばしてみて下さい。醍醐寺のしだれ桜は今がピークでしょう(ソメイヨシノは今後ピークですが)。お早めに訪れてみて下さい。
ガイドのご紹介 吉村 晋弥
京都検定1級に7年連続の最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。BS朝日「あなたの知らない京都旅」、KBS京都(BS11)「京都浪漫」出演。特技はお箏の演奏。
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