東福寺 光明院の桜


東福寺の光明院の桜が見事な輝きを見せています。

東福寺はかつて桜を全て伐ってしまったエピソードでも知られます。室町時代、4代将軍・足利義持の頃、東福寺境内の渓谷には桜もありました。あるとき、明兆が今も残る大涅槃図を描いたところ義持の目にとまり、褒美を与えられることになりました。明朝は「桜の木があると、後世必ず遊興の場となり、修行の邪魔になる」と義持に伝え、境内全ての桜が伐採されたと伝わります。

その出来事から600年を経ても、東福寺は確かに一見桜は無いように見えます。ただ、全く無いわけではありません。山桜が何本かありますし、勝林寺へと向かう道の角には立派なソメイヨシノがあり、六波羅門前の道を西に下がっていくと、こちらも立派な山桜があります。4日に訪れた時にはちょうど桜吹雪でした。

そして、「東福寺には桜がない」という伝説のためか、完全に穴場となっているのが、東福寺の塔頭・光明院の桜です。まず門を入ってすぐには、美しい紅枝垂れ桜があります。この桜だけでも十分に見るに値しますが、メインは重森三玲が作庭した庭に立体的に咲く桜です。ここは拝観しなければ見られませんので、是非300円の志納金を納めてご拝観下さい。

境内の桜は、木々の緑の中に咲いています。光明院は、至る所で額縁のように風景を切り取ることができるのも魅力の一つです。桜とお庭も、まるで一枚の絵はがきのように望める角度もあります。思い思いの場所に座って、美しい桜の風景を楽しめます。光明院は四季それぞれに、期待を裏切らない美しい風景に出会えるお寺です。感謝の気持ちを持ちながら、静かに拝観させて頂きたいですね。

お知らせ

桜を巡る散策を「らくたび」さん主催で行います。詳細はこちらをご覧ください。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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