7月20日に、松尾大社で御田祭(おんたさい)が行われました。
松尾大社の御田祭は、毎年7月の第三日曜日に行われ、田の虫除けを願う行事です。その由緒は古く、室町時代の文献にはすでに記述があるほどです。旧暦では6月23日に行われていました。さて、現在の御田祭では、植女(うえめ)と呼ばれる氏子地域から選ばれた三人の童女が、宮司よりさずけられた早苗を持って担がれて拝殿を三周する様子が可愛らしいです。
神事は午前10時から始まり、本殿で関係者によって五穀豊穣が祈願されます。神事は45分程かかり、終了すると植女たちが苗を両手に持って出てきます。そして壮夫(そうふ)と呼ばれる男性に担がれて拝殿の周りを回っていきます。植女は小学校の高学年・低学年・園児といった年齢層で、一番大きい子は担ぐのが少し大変そうでした。反対に小さな子はとても可愛らしく進んで行きます。両手を延ばして苗を持つ姿がとても印象的ですね。壮夫(そうふ)役は、植女の父親が務めているようです。
拝殿を三周した後は、境内南の神饌田へと移動をして、植女が持っていた苗が神饌田へと植えられます。そして神職によって田の四隅で祓いの儀式が行われて神事は終了です。最後は、楼門の前で記念撮影が行われました。なお、拝殿の周りには氏子の皆さまから奉納されたたくさんの野菜が並べられていました。そして植女が拝殿を回っている最中などは、金剛流の皆様により素謡(すうたい:能の謡の部分だけを行うもの)が奉納されていました。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。