六地蔵めぐり 2021年

今年も六地蔵めぐりが、22日・23日で行われました。

桂地蔵寺

京都の夏に欠かせないならわしの一つが、六地蔵めぐりでしょう。伏見(大善寺)、鳥羽(浄禅寺)、桂(地蔵寺)、常盤(源光寺)、鞍馬口(上善寺)、山科(徳林庵)の、6か所の京都の出入口にまつられた6体の地蔵菩薩を巡拝し、家内安全、無病息災、家運繁栄などを祈願する行事です。各寺では、「お幡(はた)」と呼ばれる色違いの札を授かります。旗の色は、上善寺が赤、源光寺が紫、桂地蔵が緑、浄禅寺が黄、大善寺が白、徳林庵が青で、その全てを集めて家に持ち帰り、護符として玄関や軒先に一年吊るします。

大善寺

地蔵菩薩は、釈迦如来の入滅後、56億7千万年後に弥勒菩薩が如来となって現れるまで、人々を救う仏が現世に不在となるため、その間の衆生救済を釈迦如来より託された菩薩様です。仏の世界にも位があり、悟りを開いた仏は如来、まだ修行中の仏が菩薩と呼ばれます。

徳林庵

地蔵菩薩は本来は如来になる資格があるにもかかわらず「一切の人びとの苦しみを救わない限り、如来の世界には往かない」と決め、自らの足で人間界のみならず、人びとがさまよう六つの迷いの世界(六道)を巡って、様々な苦しみを代わりに引き受けながら救って下さるとされました。このように地蔵菩薩は、六道の一つである地獄にさえも訪れて救うとされるため、庶民に寄り添う仏様として、観音菩薩と並んで絶大な人気を集めてきたのです。

源光寺

六地蔵巡りの六地蔵も、もとは大善寺に6体とも安置されていたと伝わります。地蔵を刻んだのは、あの世とこの世とを自由に行き来できたという平安時代の官僚、小野篁(たかむら)です。篁は、48歳のときに熱病に浮かされ、仮死状態で地獄へと行きました。そこで苦しむ人びとを一人一人救っている僧に出会うのです。僧は小野篁に「私は地蔵菩薩だ。できれば全員を救ってやりたいが、縁がないとそれも難しい。」といい、篁が現世に戻って私(僧)の姿を彫り、多くの人びとが地蔵菩薩と縁を結べるようにしてほしいと告げていったそう。

上禅寺

現世に戻ってきた小野篁は、木幡山の桜の大木から6体の地蔵菩薩を彫りあげ、大善寺にまつりました。彫るに際して、1刀入れるごとに3度礼拝するという、最上級の作法を行ったと伝わっています。こうして出来上がった六地蔵ですが、平安時代の末期、都で疫病が流行った際に、後白河天皇の命令で平清盛によって、現在のように京都の出入口の街道の入り口に分かれて安置されました。やがて六地蔵を巡る風習が始まります。

浄禅寺

今年も新型コロナウイルスの影響もあり夜店は出ていませんが、例年に近い形での参拝はできました。これまで22日は夜通し参拝もありましたが、2021年からは両日とも朝5時~夜10時の参拝となっています。今年は久しぶりに6カ所全てを参拝させていただきました。また、夜の小山郷六斎念仏踊りも見てきましたので、近日中にご紹介できればと思います。人出は例年と比べると大幅に少なく、特に平日の23日はまばらな状況でしたが、疫病鎮めを願う行事が、今年も開催していただけたことに感謝しながら参拝させていただきました。

六地蔵のお幡

ガイドのご紹介

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京都検定1級に4年連続最高得点で合格(第14回~第17回、第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2020」監修。特技はお箏の演奏。

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