桂六斎念仏 地蔵寺での奉納 2022年

8月22日に桂にある地蔵寺桂六斎念仏の奉納がありました。

桂六斎念仏 娘道成寺

夏の風物詩と言えば六斎念仏踊り。京都近郊の農村部に伝わっているもので、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。その多くが観客を楽しませる芸能的な要素が強い芸能六斎で、様々な演目で見る者を魅了します。様々な団体があって個性があるのも六斎の楽しみ。桂六斎念仏にも独自の演目が伝わっていて、かなり面白かったです。

桂六斎念仏 娘道成寺

実は桂六斎念仏は、2005年に一旦途絶え、2020年に15年ぶりに復活しました。その後、昨年はコロナ禍で中止となり、今年は2年ぶりの開催となりました。奉納された8月22日は、桂地蔵寺では六地蔵めぐりが行われており、多くの見物の方が集まっておられました。

桂六斎念仏 越後さらし

子どもさんの参加が多く、コミカルな演出が多いのが印象的で、笑いも起きる内容でした。定番の「四つ太鼓」、野菜の名前を連ねる文句を持つ太鼓物の「青物づくし」、子どもさんによる「豊年踊り(かっぽれ)」、古典をもとにアレンジした「娘道成寺」、そしてお決まりの「土蜘蛛」など、今年は一山打ちともいう全演目が披露されました。

桂六斎念仏 猿廻し太鼓

今年復曲したのが「桂女(かつらめ)」で、この地域からかつて鮎や飴を売り歩いた桂女を題材とした演目です。桂女を演じるのは少女で、所作が可愛らしく、終盤では観客の子どもさん向けに、何やらおみやげを撒き(中身は家に持って帰って見て下さいとのこと)、子どもさんは大はしゃぎでした。

桂六斎念仏 桂女

「土蜘蛛」は他の六斎念仏では獅子も一緒に出てきますが、まだ桂六斎念仏では獅子は復興できておられません、今後練習を重ねて復興して下さることでしょう(かなりの練習が必要だそうです)。土蜘蛛が撒く、先端に重りが付いた紙の糸を観客が集めていく光景はどの六斎も同じです。面白かったのがそうした混乱に気を取られていると、舞台上ではやられた親蜘蛛の子どもと思しき子蜘蛛が登場して、退治した人物を追い立てる場面が演じられ、そのまま退場となって行きました。スキを突かれた大変ユニークな演出でした。

桂六斎念仏 土蜘蛛

桂六斎念仏は、5月5日に下桂御霊神社でも奉納をされておられるようです。機会がありましたら、ぜひご覧になってみて下さい。有志のご尽力で復活し、こうして見せていただけることに感謝いたします。子どもさんも多く、未来も明るいと感じました。

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京都検定1級に5年連続最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2022」監修。特技はお箏の演奏。

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