先日、丹後の間人(たいざ)を訪れました。以前のブログの再掲です。
丹後半島にある間人(たいざ)は、冬の高級蟹のブランド(間人ガニ)として有名な集落です。気象関係者の間ではアメダスがある場所としても知られ、その難読地名が話題になることもあります。間人の名前の由来は、聖徳太子の母である穴穂部間人皇女(あなほべのはしひとのひめみこ)に由来し、竹野川の河口にある巨大な一枚岩「立岩(たていわ)」の付近には幼い聖徳太子とともに像が建てられています。
立岩は、初めて見るとその大きさに驚くことでしょう。丹後地方のガイドブックでは必ず紹介されている代表的なスポットではありますが、写真ではこの大きさはなかなか伝わりません。京都のエアーズロックといっても差し支えないほどの大きさで、周囲は約1㎞、高さは約20mもある全国屈指の巨大な一枚岩だそう。
この巨大な岩は、地下から上昇したマグマが固まってできたもので、垂直に伸びた柱状節理の様子も近くだとよく分かります。地質的にも貴重な存在です。自然の力によってこうした巨大な岩が海辺に現れているのですから、驚くほかありません。川の河口に位置しているというのも不思議です。
そしてこの岩には、麻呂子親王の鬼退治伝説も伝わっています。麻呂子親王は聖徳太子の異母弟とされる人物で、親王は丹後の地で英古・軽足・土車という3匹の鬼を退治された時、二匹は殺し土車だけはみせしめのため、この立岩に封じ込めたといわれています。今でも強風時や波の高い夜などは、鬼の泣声が聞こえるといわれています。丹波・丹後で鬼退治といえば、大江山の源頼光の伝説の方が有名ですが、実はこうしたいくつかの鬼退治伝説が伝わっているのです。
そして、立岩の近くには母子の像も佇んでいます。辺りの地名「間人」の由来ともなった、穴穂部間人皇女(あなほべのはしひとのひめみこ)と幼い聖徳太子の像です。聖徳太子の母の穴穂部間人皇女は、蘇我氏と物部氏との争乱を避けて丹後に身を寄せたとも伝わります。そしてまた大和へと戻られる「退座」の際に、この地に自分の名「間人」を贈りますが、村人はそのまま口にするのは恐れ多いとして「間人(たいざ)」と読むことにしたと言い伝えられています。このように立岩は丹後を代表する景勝地のみならず、丹後を代表する伝説を偲べる場所でもあります。丹後半島をドライブする際には、必見の場所のひとつ。ぜひ天気のよい波の穏やかな日に、足を延ばしてみてください。
ガイドのご紹介
京都検定1級に6年連続最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2022」監修。特技はお箏の演奏。
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